コメディカル もうふっこ

従事している医療・福祉相談に関する事やジョギング、ゲーム等の趣味、関心事を好き勝手に書いているブログです

高齢者家族が入院し困った時には・・・

 

   平日は夜の時間帯にブログを更新しているのですが、今回はイレギュラーで記事を更新したいと思います。仕事である相談支援について、相談者から「簡単に退院先の種類を聞きたい」と相談を受ける事が多いので、記事にしてみました。レギュラーの記事は、また、夜に更新したいと思います。よろしくお願い致します。

 退院するにあたって、当事者様や御家族様に、今後のヒントとしていただけたらと思います。あくまで参考程度です。

 

「病院から退院について言われた、どうしよう!」と相談される方は多くいらっしゃいます。入院前には今後の説明もしていますが、入院時はそれどころではない心理状態の方は多いと思います。そして入院日数がどんどん過ぎ・・・

 

 病院からの退院支援は、高齢者が尊厳のある生活を続けられるよう支える重要なプロセスです。支援者がその役割を果たすことで、高齢者とその家族が安心して次のステップに進めるようにサポートします。

 

 病院から退院について話があると、わかってはいても、焦りますよね。大まかではありますが、どの様な方法があるか見ていきたいと思います。

 

急性期治療からの退院

疾患によっても変わってきますが、まずは状態が自宅に戻れる状態であるかで変わってきます。

  • 骨折等で、そのまま戻れそうな場合

まずは介護保険の申請をし、要介護認定を受けます。急性期病院からそのまま退院するのであれば、在宅で介護保険を利用して訪問リハビリやデイケア、デイサービスなどを利用して、リハビリをしながら在宅で生活をする事ができます。介護保険のサービスを利用するためには、介護支援専門員(ケアマネジャー)とまず契約する必要があるので、要介護認定された場合、最寄りの役所の介護保険課もしくは地域包括支援センターで、ケアマネジャーとの契約について相談しましょう。

 

  • 自宅に復帰できそうでも、もう少しリハビリが必要である場合

 骨折後、歩行がまだ安定していない場合や肺炎等で治療終了したが、体力が弱っている場合、急性期病院から転院して「リハビリテーション病院」や「地域包括ケア病棟」、「地域包括医療病棟」を保有している病院に転院が可能です。ただ、「リハビリテーション病院」に転院する為には、大腿骨骨折や脳梗塞、肺炎後等の病名も必要ですし、病名によっても入院日数等も90~180日間と変わってきます。「地域包括病棟」はリハビリテーション病院よりは入院日数も60日間と短く、リハビリテーション病院に比べリハビリの時間数が少なくなっています。「地域包括医療病棟」に至っては21日以内となっていますが、地域包括ケア病棟に比べ、リハビリは多くなっています。上記は病院ですので、医療保険です。

 要介護認定を受けていればが介護保険を使って、介護老人保健施設という選択もあります。介護老人保健施設はどちらかというと、リハビリもありますが、在宅復帰する為に、日常生活に沿ったリハビリが中心になります。入所期間は特に設けられてはいないと思いますが、おおむね3か月ごとに見直しが行われていきます。

 

  • 重症で寝たきり状態

ご家族様としては悲しい事ではありますが、脳梗塞や肺炎で重症となり、自宅での生活が困難と判断された場合、今後継続的に医療的な処置等も必要で、現実的には自宅での生活が困難な状態である場合、「医療療養型病院」という選択があります。長期入院期間で重症者の受け入れを行っています。ただし、食事摂取困難や気管切開、人工呼吸器が必要等、入院条件もあります。また、要介護認定を受けていれば、「介護療養型医療施設や介護医療院」といった選択もあります。しかし、医療療養型病院よりも数は少ないと思います。

 ご家族状況によっては、マンパワーを多く確保でき、自宅で介護するとお考えの方は介護保険を利用し、手厚いサービスを使って退院する場合もあります。

 

  • 医療的な入院の必要性がないと判断されているが、様々な理由で自宅介護が難しい場合

入院の必要性が低く、自宅も難しい場合、要介護認定を受けていれば「介護老人保健施設」や「有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者住宅」といった選択もあります。有料老人ホームは高価なイメージがありますが、最近では若干ではありますが、安価な施設もあります。

 

 長期的に介護を受けて生活する場「特別養護老人ホーム」もありますが、要介護認定3以上が条件となっており、待機者も多く、退院後すぐに入所は現実的ではないと思います。

 

 その他、状況によって方法は変わる事もあるので、いずれも、退院先の相談には医療ソーシャルワーカー(医療相談員)が相談室にいると思いますので、まずは相談しましょう。最終的に決定するのは当事者やご家族なので、アドバイスと支援を受けて、少しでも安心して退院の準備を手伝っていただきましょう。

 

また、今後も仕事に関する相談等も記事にしていきたいと思います。ありがとうございました。